ヒルドイドに配合されているヘパリン類似物質の副作用について調べてみました。

ヒルドイドなんて単なる保湿剤なので、副作用があるなんて考えたこともなかったんだけど。

ふとググってみたら「ヘパリン類似物質 副作用」「ヒルドイド 副作用」ってサジェストが出て来たので、ちょっと気になって調べてみた次第。

で、結論から言うと、ヘパリン類似物質には、稀に肌に合わなくてかぶれる人がいる以外には、これといった副作用はありません。

安全性も高く、長期間使用しても、妊娠中に使用しても、赤ちゃんの口にたくさん入ってしまっても、特に問題はなし。

 

というわけで、これからも遠慮なくヒルドイドのお世話になれますな。

個人的な好みとして、使用感はソフト軟膏が一番好き。

私が行ってた皮膚科ではクリームをくれることが多かったんだけど、あれちょっとテクスチャーが固くないですか?

広範囲に伸ばそうとするとムニーーーて引きつって、あんまり好きじゃないんですよね。

ローションはよく伸びるけど、手に取った時にこぼれるから、手のひらをずっと上に向けてるのが辛い(不器用か)。

 

ちょっと脱線しましたが、私の他にもヘパリン類似物質の副作用について調べている人がいるかもしれないので、副作用はほとんどないという根拠について、詳しく残しておきます。

ヘパリン類似物質やヒルドイドを使い続けることに不安や恐怖を持っている人は、読むと不安が解消されると思うよ!

そもそもヘパリンって何?

ヘパリン類似物質というからには、原型となる「ヘパリン」という物質が存在します。

ヘパリン

ヘパリンとは、もともと私たちの血液中にある成分で、大量の水分を抱え込む高い水分含有力があるのが特徴。

この水分含有力を保湿成分として活用すべく、ヘパリンに似せて作られた成分がヘパリン類似物質です。

ヘパリン類似物質は低刺激

保湿用の外用薬に使われる成分には尿素やセラミドもありますが、尿素は刺激が強く、肌が弱い人には向きません。

セラミドはアトピー改善には非常に優秀な保湿成分だけど、高価だし保険適用外なので、病院で処方されることは基本的にありません。

 

ちなみに尿素軟膏は保険が効くけど、尿素は角質化して硬くなったかかとなどを柔軟にする柔軟剤であって、保湿剤だとは思わないほうがいい。

例えて言うなら、角質を落とすのに使う軽石みたいなものなんですよ。

軽石で全身磨いたりしたら、肌がどうなっちゃうかは想像に難くないはず。

そんなわけで、尿素というのは通常の保湿には向かないし、セラミドは皮膚科では出してもらえない。

 

そこで保険が効き、かつ低刺激で保湿力のある保湿剤として、ヘパリン類似物質を配合したヒルドイドの出番です。

ヘパリン類似物質はもともと生体内にある成分を模倣しているので安全性が高く、副作用も極めて少ないとされています。

長期使用、妊娠中の使用、授乳中の使用、乳児への使用、誤飲、目に入る、いずれも問題はありません。

 

ヒルドイドにはクリーム、ローション、ソフト軟膏、ゲルの4つの形状がありまして、アトピーや湿疹で皮膚科に行くと、十中八九、このヒルドイドかワセリン(もしくはプロペト)を処方されるんじゃないかと思う。

クリームでもローションでもどれでも、有効成分は同じヘパリン類似物質で、違うのは使用感くらいです。

お医者さんや使用部位によって処方される形状が違うけど、好みがあれば伝えると、そっちを処方してもらえるよ。

ヒルドイドは保湿剤であって、アトピーの塗り薬ではない

アスクドクターズを眺めてると、ヒルドイドのことをアトピーの治療薬みたいに思ってる人がけっこういることに驚くんですが、ヒルドイドは保湿剤であって、炎症を抑える成分は入ってません。

ましてやステロイドなんて一切入ってない。

ヒルドイドができるのは保湿だけであって、湿疹を治すことはできないんですよ。

ヒルドイドを怖がっていた人は、ヒルドイド=薬という認識を改めるといいと思う。

ちゃんと説明してくれない皮膚科医も多いから、しょうがないっちゃしょうがないんだけどさ。

 

さて、少々前置きが長くなりましたが、次はヘパリン類似物質の具体的な副作用に関するデータを紹介します。

ヘパリン類似物質の副作用発生率は1%未満、症状は赤みやかぶれ

ヒルドイドローションのパッケージの写真

ヘパリン類似物質が配合されている保湿剤といえばヒルドイド一択なので、ここではヘパリン類似物質=ヒルドイド、の前提で話を進めます。

(というか、それ以外のデータがなかった)

ヒルドイドを作っているマルホ株式会社が2010年10月に公開した資料によると、ヒルドイドの副作用は次のとおり。

ヒルドイドの副作用発生確率と症状

  • ヒルドイドクリーム … 0.93%(2471症例中、23件)
  • ヒルドイドローション … 0%(121症例中、0件)
  • ヒルドイドソフト軟膏 … 0%(119症例中、0件)

ヒルドイドクリームで出たという23件の副作用の内訳はこちら。

  • 皮膚炎 … 9件
  • そう痒 … 8件
  • 発赤 … 5件
  • 発疹 … 4件
  • 潮紅 … 3件
  • 湿疹 … 2件
  • 刺激感 … 2件
  • 紅斑 … 1件
  • 分泌物増加 … 1件
  • 熱感 … 1件

足して23件になんねーよ!と思ったかもしれませんが、1人で複数の副作用が出た人がいるからで、間違いではありません。

症状としては似たり寄ったりで、要するに肌に合わなくて赤くなったりかぶれたりした、という副作用。

ローションとソフト軟膏では副作用はゼロですが、1%未満で副作用が出るのだとすると症例件数が足りないので、なんとも言えないところ。

ヘパリン類似物質が合わない人が100人に1人くらいはいる

皮膚科医の先生によると、どんな成分であっても必ず過敏症というのは存在するので、ヒルドイド及びヘパリン類似物質が肌に合わない人もたまにいるということ。

 

さっきのデータによると副作用の発現率は0.93%なので、100人中1人くらいはヒルドイドが合わない人がいても不思議はない。

100人中1人って考えると、けっこういるなあ。

でも単に肌に合わないってだけで、他の病気を引き起こしたり命に関わるような症状ではないので、副作用というほどのものでもないような気もします。

 

それに、いわゆる「かぶれ」は、専門的には接触性皮膚炎と言って、アレルギーに関係なく誰にでも起こります。

よくあるのが化粧品とかシャンプー、ヘアカラーとかね。

 

もし接触性皮膚炎が出た場合、まず原因となる物質との接触を避け、薬で炎症を治療します。

後述しますが、保湿ケアだけで湿疹やかゆみを治すのは無理なので、もしヒルドイドを塗って副作用らしきものが出たら、まず皮膚科を受診することをおすすめします。

ヘパリン類似物質は顔に使ってもOK

ヒルドイドを顔に塗ってもいいかという質問も、よく見かけました。

保湿以外の効果もありはしますが(後述)、ヒルドイドは基本的には保湿剤なので、顔に塗ってももちろん害はありません。

例えばだけど、化粧水とかボディクリームで毎日保湿したからって、その結果、肌に悪影響が出るなんてことないでしょ?

ヘパリン類似物質の入った保湿剤を長期間顔に塗ったからといって、皮膚が薄くなるとか、色素沈着してシミになるとか、アトピーが悪化するとかそういう副作用はないし、副作用を恐れてチビチビ塗る必要もない。

肌に合わない場合を除き、普通に顔にヒルドイドを塗っても大丈夫です。

 

そういえば高級美容液より効果があるってんで、一時期ネットで話題になってましたね。

マジ!?と思って自分でもやってみたけど、正直そこまで良いとは思わなかったわ…。

非アトピーで、もともとそこまで乾燥がひどくない人にとっては、ヒルドイドの保湿力が美容液並みに良いのかもね。

 

というわけで、ヘパリン類似物質及びヒルドイドには、特に危ない副作用はないということを説明してきました。

でも、これを読んでる人の中には、副作用というほどではなくても「私、ヒルドイド塗ると肌が赤くなるんだけど!」という人もいるかもしれない。

確かに、ヒルドイドは使い方によっては赤みやかゆみを助長することもある。

次はそこのところを解説していきます。

ヒルドイドを塗るとかゆくなる問題について

ヒルドイドを塗ると赤みやかゆみが出ることがありますが、これは副作用である場合と、ヘパリン類似物質の血行促進作用の影響の2つが考えられます。

ヘパリン類似物質は血行を促進する

実はヘパリン類似物質には、保湿作用の他に血行を促進してバリア機能を改善するって作用がある。

そのため、出血しやすかったり、血が止まりにくかったりする出血傾向のある人にはヘパリン類似物質は使えません。

体質や病気としての出血傾向がなくても、傷口に使うと血が固まりにくくなり、傷が治りにくくなってしまうので、血が出ている部位に塗るのもNGです。

 

ここで血行とバリア機能のつながりがピンと来ない人向けに補足をしておくと…

皮膚の栄養というのは、血液を通じて供給されます。

だから、血行が良い人は血色の良いツヤツヤ肌に、血行が悪い人は青白くて不健康な肌になるというわけ。

基本的に血流が多いほうが、たくさんの栄養が行き渡って肌は元気になるわけです。

 

一方で、お風呂上がりや運動で体が温まった時にかゆみが強くなるのは、アトピーの人ならご存知のとおり。

ヘパリン類似物質を塗布すると血流が促進されるので、湿疹やかゆみが出ている時にヒルドイドを塗ると、血行の改善に伴って赤みやかゆみが増強されることがあります。

ヒルドイドを塗っても肌がポカポカするような温感はない(少なくとも私はない)ので、血行が良くなっているという実感はないんだけど、理屈としてはこういうこと。

 

というわけで、ヒルドイドで保湿して赤みが出たとしても、それが即、ヘパリン類似物質の副作用とは限りません。

健康な肌に塗って湿疹が出たら間違いなく副作用だけど、もともと弱ってる箇所や湿疹部分に使って赤くなったりした場合は、血行促進効果のせいかもしれない。

 

じゃあ、ヒルドイドはどう使うのが正解なのか?

最後に、ヒルドイドの正しい塗り方を説明して締めたいと思います。

ヒルドイドは湿疹のある部位には使わない

ヒルドイドは乾燥している部位のみに塗り、湿疹やかゆみがある部位には使わないのが正解。

そもそもヘパリン類似物質には肌の炎症を治す効果はないので、まずはステロイドなり非ステロイドなりで炎症を鎮め、湿疹が治ってからヒルドイドを使いましょう。

あるいは、ステロイドなどの塗り薬とヒルドイドを併用するか。

単に肌がカサカサ乾燥しているだけならヒルドイドで改善しますが、すでにかゆみやブツブツが出ている場合、ヒルドイドで治すことはできません。

 

アトピーの人でも誤解している人がいるようなのですが、湿疹って、保湿だけでは治らないからね。

保湿は、火を付けにくくしたり、燃え広がるのを防ぐ効果こそあれ、燃え盛る炎を消化する効果はないのだということを覚えておきましょう。

湿疹がある時は、ヒルドイドを塗りたくるより先に、皮膚科へGO!ですよ!

参考図書)
接触皮膚炎診療ガイドライン(日本皮膚科学会)
赤ちゃんと子どものアレルギー&アトピーBOOK(主婦の友社)
月刊「ナース専科」2015年7月号(インプレス)
今さら聞けないスキンケアの正解(主婦の友社)
美肌をつくるスキンケア基本ルール(PHP研究所)
「何もつけない」美肌術(主婦と生活社)
美容皮膚科医が教える あこがれ「美人」のつくりかた(日本文芸社)




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初めて「一生使いたい化粧品」と思わされた保湿クリーム。

液晶セラミドという特殊なヒト型セラミドを配合していて、塗るというより肌の一部として吸収されるような使用感です。

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